我々にとってはごくごく日常的な中井の町だが、映像業界にとっては、この町の下町情緒はなかなかに興味をそそるようで、映画やドラマのロケ地として使用されることも多い。実写だけでなく、アニメーションの中の架空の町のモデルとしてもしばしば登場する。
記憶に新しいところでは2010年に公開された、アニメ版『時をかける少女』が代表作だ。重要な場面で何度も登場する「倉野瀬商友会」の仕掛け時計の看板は、寺斉橋から見上げる「中井商友会」のそれと瓜二つ。他にも主人公・細野真琴の自宅は明らかに林芙美子邸をモデルにしているし、その付近の老舗クリーニング店などは、佇まいも店名もそのまんま登場する。
普段から何気なく通り過ぎている中井の町は、実はとってもフォトジェニック。この週末はカメラを持って、ゆっくりと散歩してみることにしよう。