新宿区主催の体験型教室「友禅染」にチャレンジしてきました。
新宿区は染色業が地場産業として有名で、染の街としても知られています。なかでも、「東京友禅(江戸友禅)」は、「京友禅」「加賀友禅」と並び、三大友禅と言われているのです。
今回は、新宿ものづくりマイスター「技の名匠」で、東京手描き友禅の伝統工芸士でもある飯島武文先生にご指導いただき、オリジナルの「のれん」を作ります。
さて一体どんな「のれん」ができるのでしょうか?
会場は新宿区産業会館、通称BIZ新宿の和室です。
まずはどんなデザインにしたいかを考えます。
生徒のみなさんそれぞれ、着物や植物の写真、愛着のある絵などを持ってきています。
先生曰く、「のれんなので大胆な柄がいいでしょう」との事。悩みます……。
先生がお持ちになった見本の「のれん」。美しいです。
だいたいのイメージが出来たら、模造紙に下絵を描き、さらにそれを反物に写していきます。
この時下絵で使う「青花液」は水で簡単に消えるそうです。
消えるとは言え、恐る恐る……。
下絵が書き終わったら、生地を、「伸子(しんし)」と呼ばれる竹ひごでピンとはり、下絵の線をでんぷん糊やゴム糊でなぞっていきます。正確になぞれないと、隙間から染料がにじむので、細心の注意を払います。糊を細く一定の太さでまっすぐに引くのはとても難しいものです。親指の力加減がコツのようですが、手がつりそうになります。
さすがに飯島先生はスイスイです。
一方、私の線はガタガタ……。
糊が一通り引き終わったら、防染効果を高めるために、生地を裏吹きし、ゴム糊を生地に浸透させます(この作業は、飯島先生が生徒全員分をやってくださいました! 実際はもっと細かい工程がここの間にもたくさんあるそうです)。
さあ、一番楽しい、色塗り作業です!
友禅では色を塗るとは言わず、色を挿すと言うそうです。筆も生地に対して垂直に置くのがいいそうです。
思い通りの色を創り出すのもとても難しいですが、一度創った色と同じ色を創るのは至難の業です。
でも、あらかじめ、たくさんの色が用意されています。
そして、先生方がプロの技を惜しみなく伝授!
みんな集中しています。
今回は、地の生地は染めないので、最終的に糊を置いたところは生地の色になります。それを想像しながら、色を塗っていく作業が難しくもあり、楽しさでもあります。
全3回のスケジュールながら、先生が持ち帰って色々な工程を変わりにやってくださったおかげで、最終日には皆さん色を塗り終わりました。
集中して何かを創り上げることは、皆さんとても有意義だったようです。
実際にはこの後、蒸し・水洗い・湯のしなどのさまざまな工程がありますが、残りは先生が持ち帰ってやってくださいます。きれいな反物の状態になって、自宅に郵送されてくるそうです。
郵送されてきた反物を各自で、のれんになるように縫製し、完成!
ほとんどの生徒さんの作品は「染の小道」の落合第五小学校で見ることができるらしいので楽しみです! (萬)