のれん制作現場レポート1: 二葉苑さんに行ってきました!【前編】

江戸更紗の工房、二葉苑さんは「染の小道」イベントの中心メンバーでもあります。

工房がお休みの日曜日、「染の小道」用ののれんを制作する職人さんたちの作業現場にお邪魔してきました。二葉苑の職人、岡野睦子さんが選んだモチーフはしだれ桜です。
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銭湯「ゆ~ザ中井」さんの入り口に掛けるのれんで、縦150cm×横160cmという特大サイズ。
横40cmののれんを4枚合わせて、1本の大きなしだれ桜を完成させます。

その図案がこちら!
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スケッチで構図を決めて、大きな模造紙に実物大の絵を一気に描きあげました。

「(抽選で)大きなのれんの制作が当たったので、インパクトのあるものにしたいなと思いました」と岡野さん。
しだれ桜は岡野さんが好きな花で、描いてみたいモチーフだったそうです。

「季節的には少し早いですが、存在感のあるものがいいと思って決めました」。

銭湯帰りにくぐったら、華やかな気分になりそうです。

伺った際に行なっていたのは、「蝋ぶせ」という作業です。
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まず、図案の上に白生地を置いて、藍花の染料で上から写し取り、線として白く残す部分にゴム糊を置いて防染します。
そして、布自体を全部薄い紫に染めます。
花の半分にこの色を残すべく、その花の上に溶かした蝋を塗って、別の色がかからないようにします。
その上からさらに生地全体をピンクに染め、花の中心に濃いボカシを入れます。
そして、今度はピンクにしたい花の上に蝋を塗っていきます。
今はまさにその作業をしているところです。
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蝋が薄い茶色なので、今は変な色ですが、この蝋を落とすとキレイな色が表れます。
枝の周りもボサボサの筆で蝋を叩いて、全体的にぼんやりとピンクを残すそうです。
とにかく細かい作業が続きます。

「もともと和のモノや、手を動かすことが好きで、染色の世界に入りました。やっぱり楽しいんです。無心で色を挿しているうちに、ランニングハイみたいになったりします(笑)」。

染色の世界で7年、二葉苑さんに入社して、中井に通うようになって1年。

「川があって、今でも道具屋さんから湯のし屋さんまでがこの辺りにはいて、昔は染の街として活気があったんだろうな、と思います。昔の様子が知ることができないのは残念なことですね」。
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そんな折の今回のイベントへの参加です。

「『道のギャラリー』の話を聞いて、やってみたいな、と思いました。50ののれんが掛かるって、かなりすごいことになるんじゃないかなって思います」。

その中でも、岡野さんののれんはかなりの大作になりそうです

「どかんと見て、わ~って思ってもらえれば嬉しいです」。

中井では2月18日から、満開のしだれ桜が楽しめます!

(by取材班)